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​竣工写真撮影:藤井浩司(TOREAL)

星野リゾート 界 ポロト

 

所在地    北海道白老町

建築主    星野リゾート

建築設計者  中村拓志&NAP建築設計事務所

構造設計者  △湯設計・客室棟基本設計:

       山田憲明構造設計事務所

       山田憲明 石川敬一

       客室棟実施設計:前田建設工業

施工者    前田建設工業

建物規模   延床面積 4,951.48㎡

階数     △湯:地上1階 客室棟:地上4階

主要用途   旅館

主要構造   △湯:W+RC 客室棟:RC+S

設計期間   2018年4月~2020年4月

工事期間   2020年5月~2021年10月

掲載     新建築2022年1月号

       Casa BRUTUS特別編集

        『【新装版】温泉200』

「チセ」から導かれた構造

 ポロト湖沿いに建てられた湯小屋とホテルである。アイヌの集落であるポロトコタンから着想したデザインとなっている。

 

 湯小屋は大小のねじれた三角錐形状屋根が並ぶ。その中で最も大きい湯上り処は、最高高さ約11mにも達する。屋根構造は、チセ(アイヌ人の伝統的住居)の屋根に使われたケトゥンニ(三脚)構造をベースにしている。

 

 湯小屋の基本骨組は先行発注で調達した北海道産トドマツ丸太で構成しており、3本の隅木で支え合わせた三脚の中間を横繋材で突っ張らせて扇垂木を架け渡すことで面外方向の外力に抵抗させている。その外側の断熱材の厚みを利用して形成した構面に面内方向の力を負担させることで架構全体の剛性・耐力をさらに向上させている。

丸太同士は、地元大工の高度な大工技能で成し得る「光付(ひかりつけ)」によって、自然の丸味に合わせて隙間なく接合されている。