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​竣工写真撮影:藤井浩司(TOREAL)

上野東照宮神符授与所/静心所

 

所在地    東京都台東区

建築主    宗教法人東照宮

建築設計者  中村拓志&NAP建築設計事務所

構造設計者  山田憲明構造設計事務所

       山田憲明 赤阪健太郎

施工者    青木工務店

建物規模   延床面積 187.02㎡

階数     地上1階

主要用途   授与所

主要構造   神符授与所W 静心所:W+S

設計期間   2018年9月~2021年5月

工事期間   2021年6月~2022年3月

掲載     新建築2022年6月号

       商店建築2022年8月号

神符授与所の屋根構造

~二重菱格子をモチーフにした斜交格子梁構造~

 最大1.95mの深い軒の跳ね出しと広さ4.9m×10.4mの室内の無柱空間を、幅60×成150mm×長さ4mのヒノキ製材を用いて互い違いに4段重ねる斜交格子梁で実現している。最長12mとなる斜交材は最低2カ所の継手が必要だが、各段の継手をずらしたり井桁のように配置したりすることでレシプロカル構造の支え合う仕組みをつくり、全体としてモーメントを伝達させている。格子梁の交差部は、各段の梁のせん断力伝達や、暴風時の吹き上げに耐えるため、梁材上下端を互いに5mmずつ欠き、渡腮仕口にしてずれ止めをしたうえで、最長600mmもの1本の全ネジ長ビスで縦方向に縫いつけている。

静心所の屋根構造

~イチョウ材を並べたコノイドシェル構造~

 小断面のイチョウ製材を用いた片持ちシェル構造である。シェル形態は、片持ち梁の力学特性、通直材による構成、「社殿を敬うようにこうべを垂れる」という建築コンセプト等の理由から、通路と休憩スペースの境界壁位置(以下、境界)で最大曲率となるムクリが、先端で直線となるコノイド曲面を採用している。幅60mmのイチョウ材を隙間なくずらしながら並べてビス打ちし(補助的に接着剤を併用)、その天端に構造用合板を曲げながら貼ることで面内性能を確保している。この屋根を、境界壁上ではピン接合で固定し、背面壁上ではバックステイで引っ張ることで、3mもの跳ね出しを実現した。

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