Y S D Yamada Noriaki Structural Design Office
山田憲明構造設計事務所
竣工写真:エスエス/秋田広樹
美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと
所在地 島根県邑智郡美郷町
建築主 美郷町
建築設計者 STUDIO YY
構造設計者 山田憲明構造設計事務所
山田憲明 吉岡涼
施工者 今井産業・福間工務店特定建設工事
共同企業体
建物規模 延床面積944.99㎡
階数 地上2階
主要用途 カヌー艇庫
主要構造 W
設計期間 2022年8月~2023年8月
工事期間 2023年9月〜2024年9月
掲載 新建築2025年5月号
カヌーから発想する木構造
主屋と下屋の構成を持つ木造2階建てのカヌー艇庫である。主屋は梁間7.28mの2層構成で、2階は木船の船底を想起させる「船底トラス」を用いた屋根構造によって無柱空間としている。船底トラスは、下弦材に湾曲集成材を使い、わずかにムクらせ圧迫感のない柔らかな木造空間の創出を目指している。タイバーとして機能する下弦材は湾曲させているがゆえに、スラストによってトラス両端部が広がり頂部がたわみやすいが、上下弦材間を斜材で繋いで下弦材の変形を拘束することでたわみを抑えている。下屋は梁間3.64mの1層構成で主屋を取り囲み、カヌーの漕ぐ姿を想起させる「パドルトラス」を用いた屋根構造によって深い軒を支持すると共に主屋との一体性を高めている。特に主屋2階側柱には、パドルトラスで柱脚部の回転を拘束した合成ラーメンとして水平抵抗させる役割を持たせ、耐力壁のほとんどない開放的な2階の空間を実現している。船底トラスとパドルトラスは、90~120mm角といった小径スギ製材を用いながらも強度と美観を両立させるために、嵌合、合わせ材、ビスといった要素技術を駆使した接合ディテールとしている。縦にも横にも大きく吹き抜けるエントランスホールは、2階腰壁部に平行弦トラスと合板充腹梁を複合した組立梁を設けてブリッジを構成することで、屋根と2階床を支持できる7.28mスパンの渡り廊下を実現している。
