Y S D Yamada Noriaki Structural Design Office
山田憲明構造設計事務所
竣工写真:秋田広樹(エスエス)
まきのさんの道の駅・佐川
所在地 高知県高岡郡佐川町
建築主 高知県佐川町
建築設計者 若竹まちづくり研究所・STUDIO YY・
ワークステーション
構造設計者 山田憲明構造設計事務所
山田憲明 吉岡涼
施工者 岸之上工務店
建物規模 延床面積1853.57㎡
階数 地上1階
主要用途 道の駅 飲食店舗 展示場
主要構造 W
設計期間 2021年12月〜2022年3月
工事期間 2022年7月〜2023年3月
掲載 新建築2023年12月号
ディテール2024年1月号
近代建築2024年1月号
木造カステン構造
南側の切妻屋根はサスペントラス、北側の切妻屋根は張弦梁、それらの間をシームレスに繋ぐ下凸の緩やかな曲面屋根はカステン構造という、3種類の木造吊りを連ねることで、特徴的な内外観をつくっている。カステン構造は川口衞氏が鉄骨造で考案したバックステイが不要な画期的な構造システムで、吊り材の引張力を妻部の枠梁とポスト柱で構成した逆アーチで巧みに釣り合わせる。屋根が最も低くなる佐川通りで空間の高さを確保できるよう、下凸の屋根形態を活かし、下弦材が不要になるカステン構造を木造で提案した。
カステン構造をポイントは、①吊り材に風圧や積雪等の偏荷重に耐えられる曲げ剛性・耐力 ②吊り材の引張力を妻部の逆アーチまで伝達できる面内せん断剛性・耐力を持たせることである。曲げ剛性を持つ下凸形態の吊り材は、3m定尺の杉一般製材を木口で連結した3つの折線状フレームを、継手位置を材長の半分ずらして互いに15㎜ずつ欠き込んで嵌め合わせながら束ねて構成した。この吊り材1820㎜間隔に並べ、受材・構造用合板・丸鋼ブレースで一体化して面内剛性・耐力を高めている。